第93章 煽り

「それはもちろんです。ランティンのような優れたパートナーと組める機会は、そうそう巡り合えるものではありませんから。だからこそ、早めにご挨拶に伺ったんです」

川西拓海の声音に滲む、かすかな刺を、小林圭吾は聞き逃さなかった。だが、ただ穏やかに微笑むだけ。二言三言で、その張り詰めた空気をさらりとほどいてしまう。

「どうぞ」

小林圭吾は右手を差し出し、身をわずかに横へ引いた。礼を尽くした、隙のない振る舞いだった。

それを見た水野佑奈は、慌てて小林圭吾を先に促す。ランティンの規模を思えば、ここまで下手に出られるのはかえって落ち着かなかった。

発表会の前半は、これまでとほとんど変わらない流れだ...

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